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この日おじゃましたのは静岡ガスさん!

長年お世話になっている静岡の製菓材料店さんが主催する

プロ向けの米粉講習会があったので参加してきたのです。

参加される方はパン職人さんとか、料理教室の講師の方とかそういった感じだったかな。

米粉といえばの熊本製粉さんが直接指導してくださるとのことだったので、

これはぜひとも行かねばと思ったのだよーー

私もレシピ開発などの仕事をする時、最近米粉の要望が急に増えてきたので、

専門的な知識が必要だな~とずっと思っていたんだよね。

もちろん自分である程度は勉強していたのだけど、

やっぱり米粉はかなり難しいといいましょうか・・・

それゆえ、初っぱなの土台となる知識はとても大事になると思っていたので、

独りよがりでは絶対にダメだと思っていたのです。

今回は理論的なお話もかなり聞けるということだったので、

がっつり勉強してきました!

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作る物としてはデモンストレーションも含めて

・米粉パン
・グルテンフリー丸パン
・米粉ブラウニー


だったんだけど、

合間合間にたくさんの専門的知識も教えていただいたよ。

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講師は、熊本製粉の特級パン製造技能士であるM先生!

特級なんてすごすぎますな・・・

そんな先生に教えていただけるのは滅多にないチャンス!

もうウキウキで出かけていきましたよw

熊本製粉さんといえば「ミズホチカラ」という米粉が有名。

米粉系のお菓子やパンを作る方なら一度は耳にしたことのある粉の名前なんじゃないかな。

私も米粉のお菓子はちょこっとやっていたので、
(パンは難しいことがわかっていたので手つかずw)

コッタさんの関係もあってミズホチカラを使っています。

ミズホチカラっていうのは、そもそも米の品種名で、

コシヒカリとかゆめぴりかとかと同じってことだよ。

でもごはん用としてはおいしくない品種で、元は加工用とか飼料米用のお米だったんだよね。

今では米粉に特化した品種にはなっているんだけどね。

ミズホチカラは、ごはん用のお米とデンプンの質がちょっと違うんですって。

主食用のお米のデンプンって

アミノペクチンとアミロースがだいたい8:2で成り立っているんだけど、

ミズホチカラはアミロースの割合が少し多め。

アミノペクチン=もち米の成分なんだけど、これがお米のもちもち度を決めるのよ。

最近人気のゆめぴりかなんかは、

このアミノペクチンの割合を多くし、かつアミロースを抑えて、

もちもち度をかなりアップさせているんだよね。

ってことは、アミロース多めのミズホチカラはもちもちさには欠け、

確かにごはんとして食べるにはおいしくないということ。

米としてはツヤ感もないと思われます。

しかもインディカ種×ジャポニカ種で成り立っているというね。
(ごはん用はジャポニカ種)

だからごはん用には向かず、研究開発していく中で

米粉に特化した品種になっていったんだと思います。


お菓子用やパン用にするための研究開発にあたっては、

挽くときにデンプンの損傷をいかに少なくするかを考えたそう。
(デンプンが損傷すると膨らまなくなるため)

そしてとにかく細かく、小麦の粒子の半分まで小さくし、

しかも均一の大きさにそろえることに力を入れたのだそうです。
(粒子が荒くて不揃いだと気泡がくっついたり離れたりして気泡が安定しなくなり、
結果きめが荒くなるのだそう。きめが粗い→ボリュームが出ないことにつながる)

こうやってできた製菓用やパン用の米粉(ミズホチカラ)は、

生地の中にできる気泡のきめを細かくできてかつ安定するので、

結果、よく膨らむようになるそう。

なるほどね。

製菓用・製パン用以外の米粉だとなかなか膨らみが悪くなるのはそういうことかと。

一言で米粉といっても、実はいろいろな会社のいろいろな粉があるので、

そこから用途に合うものをちゃんと選ばなければならないんだということを再確認しました。

ちなみに粒子の大きさは、

お菓子用の米粉が一番小さくて、その次にパン用、そして麵用が一番大きいとのことでした。

※同じ米からできている上新粉とはまったくの別物になります。


さて、じゃぁ米粉でどんなパンやお菓子を作っていくのが正解かっていう話なんだけど、

米粉っていうのはそもそも油脂分を吸収できないという特徴があり、

油の多いもの、特に油脂多めのパンには向いていないそう。

たとえば米粉でブリオッシュを作れるかっていうと

それはかなり難しい話になるらしい・・・

油脂分のベーカーズが40%、50%っていうのはやはり避けたほうがいいらしく、

多くても20%までとのこと。

風味も米の風味になってくるしもちろんグルテンはゼロ。

つまり、小麦のパンとは完全に分けて考えなくてはならないということなのです。


お菓子に使うんだったらスポンジなどのふわふわ系には向くけど、

ガチッとする焼き菓子に使うとかなりザラつくそうな。

ま、それはすごくわかる・・・。

薄いクッキーに使うとせんべいみたになってガリガリザラザラになるんだよ。

私はその食感がどうにも苦手で???って思っていたんだけど、

その感覚は合ってるってことなのよね。

もちろんそれをあえて活かすというものもあるとは思うんだけど、

小麦とのギャップがけっこうあるので、そこをどう埋めるかっていう話になってくるんだわ。

だから米粉の初手の使い方としては、

小麦アレルギーなのであればもちろん100%米粉におきかえていくしかないんだけど、

そうでないのであれば、

小麦の何割かに配合して

「しっとり」「もっちり」または「ざっくり」をプラスする

っていういいとこどりをするのがいいんじゃないかなと

私は思ったかな~

その方が小麦とのギャップも最小限にすんでおいしかったりもするしね。

3~5%の置き換えならほどんど作業上の影響はでないそう。

食感がやわらかく、とかしっとりなる、といった感じで反映されるようです。

10~30%置き換えとなってくると、小麦のグルテンに影響してくるので、

作業感覚が変わったり、形も変わったりということが出てくるらしい。


とはいえ、

実際のレシピ依頼っていうのは

米粉100%置き換えパターン。

ま、そうだよねw

でも米粉のみっていうのは

そもそも「グルテン」の概念をすべて取っ払わなければならないので、

本当に難しくなるんだな(汗)

各ご家庭にその米粉のレシピが降りていったときに、

やはり作り手のみなさんにとっては作業感覚がまったく別物になり、

味としては想像と違う物になり得るわけで、

私はいつもその狭間に立ちながら「ううううう」となっているのです。

お菓子系はわりと味も変わらずいい感じになるんだけど、
(作業性は難しくなるものもあれば変わらないものもある)

パンはやっぱり全然違うんだよね。

私みたいに20年以上も小麦のパン作りにどっぷり使っていると、

正直戸惑うことだらけなのよ。

作業なんてまったく違うし味も小麦とまったく違うものができあがるから。

だからなおさら、レシピを作る側としてはなかなか悩ましい問題ではあるねぇ。

1かゼロかすぎちゃって、本当は段々と取り入れいていくためにも

その間のグレーゾーンがほしいんだけどな、と正直思っているわたくし。


だから、みなさんがもしご家庭で米粉を取り入れたいと思うのであれば、

アレルギーではない限りはやはり、

5~10%の間で小麦の一部を置き換え

っていうのが最初はおすすめかなと思います。特にパンね。

そこからどっちに転がるか、という感じだと思う。



さぁ講習会の続きにもどりましょうw
(話し出すときりがなくなるから)

最初は、グルテンフリーの丸パンを先生がレクチャーしてくれました。

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米粉にはもちろんグルテンはないわけだから、混ぜてもひたすら流動するんだけど、

成形したい場合には

「サイリウムハスク」

なるものを添加するそう。

オオバコっていう植物の種を粉砕したものなんですって。

これを流動している米粉生地に入れるとみるみる生地が固まっていって、

写真みたいにある程度かたまりになるのよ。

こうなると成形できるようになると。

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とはいえ、

成形しても小麦みたいに表面はつるんとはならないんだよね。

ちょっとボコボコした感じ。

生地がグルテンでつながっているわけじゃないので、つるんとはなりにくいのです。

平行して先生が食パンも仕込んでいました。

食パンにはサイリウムハスクは使わず、流動した生地のまま型に入れるだけ。

で、イーストも入れるのでどっちのパンも

ちゃんと一次発酵、二次発酵ってするんだよね。

丸パンは短めだけど、食パンはそこそこな時間をとってたよ。

で、その発酵の合間に

米粉のブラウニー生地も先生が仕込んでいました。

ブラウニーに関しては、パンみたいな難しさは全然なく、

比重とか比率も気にしなくていいので

基本混ぜていけばOKな感じ。

私が米粉のお菓子だけに手を出していたのはこれもある(笑)

お菓子は単純に置き換えるだけでなんとかなるからw

といっても、

グルテンを柱とするお菓子となると話は別の話にはなってくるけどね。

ブラウニーに関しては卵やチョコがたくさん入っているので、

グルテンのことなどまったく気にせず作れるのです。

で、先生が、

「ブラウニー生地をもう一度誰かに作ってもらうかな~」

ってことになり、

「誰かやってくれる人!」

とおっしゃって

でもだれも行こうとしなかったので、

これは滅多にないチャンスだと思い(笑)

「はいっ!!」

と挙手して精一杯やらせていただきました。

みなさんの視線が突き刺さる中(笑)

ステージに先生と並んで立って一生懸命生地を仕上げましたよ。

自分のオンラインレッスンよりむしろ全然緊張しないしw

先生ではなく今日は生徒なのである意味気楽にできるしw

それこそ久々に生の人前に立ち、

ああ、この感覚久々だな~と冷静に思う自分もいたなぁ。

また対面の料理教室やイベントもやりたいな~なんてこともよぎったなぁ。
(ブラウニー作りに集中しなさいw)

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先生とちょこっとおしゃべりしながら、

そのブラウニーはあっという間に完成したよ~

こういう米粉の置き換えはすごくいいね!

小麦と全然変わらずに作れるし、味も変わらずに楽しめるし♪

お菓子はやっぱりハードル低め。


その後は丸パンの方を実際にチームで作っていきました。

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2人一組になって作ったので、私の丸パンは手前の3つです。

こうやって油を塗って焼き色を付けるんですって。

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焼き上がったのがこれだよーーー

私の初米粉パン!

先生指導の下での初米粉パンなんて幸せではないかぁ~

で、先生が、油を塗らないとこういう風に焼けるよっていう例を見せてくれました。

これ↓

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真ん中の白いやつ!!

えっ!?油塗らないと、こうなっちゃうの?ってびっくりしたわ。

で、食パンの方は

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先生の最終発酵がこんな感じ。

・・・

で、

このあと確かに焼いたはずなんだけど、

先生っ

・・・

私、焼き上がりを見てないよーー(゚∇゚ ;)

私も家に帰って気がついたんだわ。

先生慌てちゃったのかなw

それとも私が見忘れてるのか??(笑)

果たしてこの米粉食パンはどんな風に焼き上がったのか、

気になって気になって、私眠れませんよっ(笑)

完成形がわからないってどゆことーーーw



焼き上がりがわからない以外は(笑)

とっても充実した内容で、

かなり勉強になった一日でした!

とても刺激になったし、ワクワクしたし、

何よりめちゃくちゃ楽しかった。

そして静岡ガスさんのキッチンスタジオとてもよかったな~

ここ数年出張にも行っていないし、いろんな現場にも出向いてこなかったので、

久々の現場感がなんともいえない高揚した気持ちを私に与えてくれて、

すごく元気がでたよ。

また何かでこういったスタジオキッチンが使える日が来るといいな、

なんてことも思った一日でした。



ちゃんと米粉のこと復習しないとな。




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